2021年3月11日は東日本大震災と福島第一原子力発電所事故から10年の節目であり、世界中の人が等しく、新型コロナウィルスという災禍と向き合っているタイミングです。
人間はこれまでに幾度も大きな災いに見舞われ、そこから立ち上がってきました。その時生まれた芸術はその人間の営みと感情を刻み、その作品らを鑑賞することで、人はその状況や自分と向き合います。EPADでは「架空線のフィクション」を特集、近年30年で禍と向き合う人間を描いた作品を紹介します。デジタルアーカイブを通じて当時の自分、現在の自分、社会について、思いを馳せる特集です。
撮影:松本和幸
作品紹介:
東日本大震災によってチームメイトや家族を失い、青森に転校してきた主人公の成長を描く。
舞台装置や小道具を用いず、照明も音響も使わない。効果音を肉声で発する。「被災した方々のためになにかさせていただきたい」という部員の希望から生まれた本作は避難所や集会所など「どこでもやれる」必要があったためだ。
2011年9月から足かけ9年で全国の22都府県51市町と韓国・ソウルで104ステージ上演(2020年5月時点)。2015年の映画「幕が上がる」(主演:ももいろクローバーZ)で取り上げられ、全国的な話題となった。