LOVE
2021.04.17

唐津絵理(愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサー/Dance Base Yokohamaアーティスティックディレクター)/笠井叡/魁文舎『Spinning Spiral Shaking Strobe』

スタジオ天使館にてコロナ禍でも継続的に創作を行い、一方で個性的な男性ダンサーを集めた新作を発表したばかりの舞踏の創始者のひとり、笠井叡。20年前に笠井が発表した『Spinning Spiral Shaking Strobe』では、そんな笠井叡と彼に魅了された5名のダンサーが、シンプルな舞台空間を縦横無尽に駆け巡り、身体が生み出す圧倒的なエネルギーを体感できる。日本のコンテンポラリーダンスの黎明期を支えた木佐貫邦子、近藤良平、安藤洋子、上村なおか、今日まで第一線で活躍しているダンサーたちが若き頃に挑んだ本作は、各ダンサーの個性的な身体を生かしつつ、個々の身体の間に強烈な化学反応を起こすことに成功しており、現在の彼らの活動の萌芽を読み取ることもできるだろう。またそれは日本のコンテンポラリーダンスという動向の一端を知るきっかけのひとつになるに違いない。それこそ、このアーカイブの成果のひとつであると思う。

 

分野:舞踊
推薦者:唐津絵理(愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサー/Dance Base Yokohamaアーティスティックディレクター)
作品名:笠井叡/魁文舎『Spinning Spiral Shaking Strobe』
 

Photo by Sakae Oguma