LOVE
2021.04.17

荒木伸二(映画監督)/イキウメ『散歩する侵略者』

映画館に行って2千円も払えば予算と時間を湯水のように使った完成度の高い作品が見れるのに何ならもっと高いお金を払って私が演劇を見に行く理由の一つは勇気ある挑戦が見たいからです。完成度より大事な新しい何かを発見すること、見届けること。それこそが私の劇場通いのモチベーションです。が、この「散歩する侵略者」に関して言うと勇気ある挑戦であることはもちろん、この上ない完成度の非の打ちどころのない傑作です。(その出来が良すぎるからか映画版は戯曲をぶっ壊しにかかってる感すらあるので)是非、まずはここにある演劇版でご覧になることをお勧めします。演出面でも時間と空間をシームレスに接着していたりして、驚きと納得の連続です。ふと思い出して涙したりもします。愛してやまない一本です。

 

分野:演劇
推薦者:荒木 伸二(映画監督)
作品名:イキウメ『散歩する侵略者』

 

撮影:田中亜紀