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2024.05.20

こまつ座|2023年度 EPADセレクション 採択団体インタビュー

現在EPADでは、令和5年度補正予算 文化芸術振興費補助金 人材育成・収益化に向けた舞台芸術デジタルアーカイブ化推進支事業の採択を受け、舞台芸術作品の映像を募集しています。
要件を満たした作品を対象に、有識者の審査のもと収集作品を決定し、EPADおよび指定の団体にて、アーカイブ所蔵。さらに広く、公開を目指す作品については、EPADにて必要な権利処理のサポートを行うほか、収録の補助も実施いたします。
詳細:https://epad.jp/news/2024042301/

これまでも実施してきた、EPADセレクションでの作品映像募集。
採択されたことのある団体の皆さまからいただいたお声をご紹介します。応募のきっかけや、EPADの取り組みへの感想などをお伺いしました。
 
 

こまつ座

1983年、作家・劇作家の井上ひさしが座付作家として立ち上げ、翌年『頭痛肩こり樋口一葉』で旗揚げ。以降、井上ひさしに関わる舞台を専門に作り続けています。
近年の受賞作に2003年読売演劇大賞最優秀作品賞(『太鼓たたいて笛ふいて』)、2010年読売演劇大賞芸術栄誉賞(井上ひさし)、2012年紀伊國屋演劇賞団体賞 (「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」の舞台成果)、2016年読売演劇大賞優秀作品賞(『マンザナ、わが町』)、2017年文化庁芸術祭賞の演劇部門において関東参加公演の部で大賞を受賞。2020年第5回『澄和Futurist賞』(顕彰事業)受賞。その他にも受賞歴多数。

『吾輩は漱石である』舞台写真 撮影:宮川舞子

 
――2023年度のEPADセレクションへ応募された理由をお聞かせください
EPADのパートナー団体としてお声がけを頂いて以来*、毎年アーカイブ事業にご協力させていただきました。未来に演目を残すことは井上ひさしの悲願でもありましたので、これからも積極的に連携していけたらと考えております。
 
*EPADは2022年度の事業において、こまつ座ほか8団体とパートナーシップを結び、まとまった数の作品のデジタルアーカイブ化と権利処理・配信をサポートいたしました。また、団体はEPADの各種イベントに参加し、広報活動に協力いただきました。
https://epad.jp/news/22399/

――採択後、配信までの過程はいかがでしたか
配信作品に関わるキャスト・スタッフの人数が多いために、権利処理が多岐にわたりました。特に、初演時に使っていた音源の出所を調べることが大変でした。しかし、舞台芸術作品が資料として後世に残ることは、とても良いと思います。

――2022年度には、EPAD×THEATRE for ALL*の配信作品のひとつとして、『イーハトーボの劇列車』の公演映像が公開されました。反響はいかがでしたか。
『イーハトーボの劇列車』をTHEATRE for ALLで公開したことをきっかけに、”こまつ座は鑑賞サポートに積極的な団体である”という認知がひろがったように感じます。
 
*THEATRE for ALLとは、株式会社precogが企画制作を手掛ける事業で、アクセシビリティに特化した舞台芸術のオンラインサイトです。EPADはTHEATRE for ALLと協働し、収集作品の内の数作品に、字幕や音声ガイドなどの情報保障をつけて舞台作品映像を配信しています。
https://epad.jp/news/2024013100/

――アクセシビリティ配信を経験され、今後の団体活動の展望などに、変化はありましたか。
劇場での上演においても鑑賞サポートを実施するようになりました。まだ課題はありますが、字幕タブレットや音声ガイド、盲導犬を伴っての観劇など、鑑賞の仕方の幅をひろげています。サポート公演をご利用いただいたお客様からも、好評をいただいております。

――これからのEPADに期待することをお伺いできますと幸いです
これからも演劇作品のアーカイブ化を進めていただき、古い作品も映像で記録に残していただきたいです。

★2023年度のEPAD配信サポートにより、こちらの作品が公開中。
『吾輩は漱石である』

U-NEXT(有料・2029/2/22まで)
https://video.unext.jp/title/SID0098804

『イヌの仇討』

U-NEXT(有料・2029/2/22まで)
https://video.unext.jp/title/SID0098805

『きらめく星座 (2023 ver)』

U-NEXT(有料・2029/2/22まで)
https://video.unext.jp/title/SID0098806
 
 
<EPAD 2024年度 舞台公演映像募集 エントリーのご案内>
https://epad.jp/news/2024042301/